PBR1倍割れの今後

学び
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TVでPBR1倍割れの企業について今後の予定が放送されていました。
今年の3月で上場維持基準の経過措置の適用が終了しているので来年の26年3月に管理銘柄・整理銘柄の指定が行われる予定です。26年10月には上場廃止にもなりますので企業も対策するか、グロース市場に移る必要があります。PBR 1倍割れの優良企業はここ2年ぐらいで既に株価は上昇していますが改めて経緯を調べてみました。

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■経緯

まず2022年4月以降に市場区分が再編されました。
元々あった東証一部、二部、ジャスダック、マザーズの4区分がなくなり、プライム、スタンダード、グロース市場の3区分に再編されました。
ここで市場再編前に上場していた企業は、再編後の市場区分を自分達で選択する機会が設けられました。多くの企業は元々上場していた市場の移行先市場を選択しましたが、新市場の上場維持基準を満たしていないケースも散見されたため、救済手段として経過措置(緩和された上場維持基準)が用意されました。
維持基準に満たない企業は「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を提出・開示することで経過措置が適用されます。経過措置は、2025年3月1日以後に到来する上場維持基準の判定に関する基準日まで適用され、基準日以降は本来の上場維持基準が適用されます。経過措置終了までに上場維持基準に適合しない場合は、1年間の改善期間が与えられますが、改善期間内に基準を達成できなければ、監理・整理銘柄に指定され、その6か月後に上場廃止となります。または上場廃止を避けるためにはグロース市場に移る必要があります。

次に2023年3月、プライム市場及びスタンダード市場の全上場会社を対象に、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を実施いたしました。その内容は以下ですがPBRの言葉は一度も出てきてません。

  1. 資本コストや株価を意識した経営を実践する観点から、まずは自社の資本コストや資本収益性を的確に把握し、その内容や市場評価に関して、取締役会で現状を分析・評価したうえで、改善に向けた計画を策定・開示し、その後も投資者との対話の中で取組みをアップデートしていく、といった一連の対応を継続的に実施していくことを要請
    (対象はプライム市場・スタンダード市場の全上場会社)
  2. 実施にあたっては、取締役会が定める経営の基本方針に基づき、経営層が主体となり、資本コストや資本収益性を十分に意識したうえで、持続的な成長の実現に向けた知財・無形資産創出につながる研究開発投資・人的資本への投資や設備投資、事業ポートフォリオの見直し等の取組みを推進することで、経営資源の適切な配分を実現していくことを期待。資本収益性の向上に向け、バランスシートが効果的に価値創造に寄与する内容となっているかを分析した結果、自社株買いや増配が有効な手段と考えられる場合もあるが、自社株買いや増配のみの対応や、一過性の対応を期待するものではなく、継続して資本コストを上回る資本収益性を達成し、持続的な成長を果たすための抜本的な取組みを期待

しかし、企業が資金をいかに有効活用して事業を成長させているか、それが投資家からどう評価されているかを測る一つの指標がPBRのため、メディアで報じられたのがわかりやすく表現した東証によるPBR1倍割れ改善要請です。そのため、26年3月の管理銘柄・整理銘柄の指定は明確にはPBR1倍割れだけの企業が対象ではありません。

■企業対策

PBR1倍割れの企業は株価を上げるべく、対策が必要となります。
キャッシュが多い会社が自社株買いで人気を集め、株価も上昇させる方法です。
そのため2023年〜2025年はPBR 1倍割れで財務が良く自社株買いを積極的にやりそうな大手の企業は人気を集めてました。
そのほかには優待を新設して個人投資家の購入を誘導して株価を上げる方法です。
特にここ最近よく見るのが300株〜1000株単位で半年や1年などの期間保有すると1万円以上のQuoカードなどを株主優待に新設する企業です。これは明らかに一般投資家を集めて株価を引き上げ、PBR1倍以上を狙っている気がします。株主優待は廃止しても法律的な責任はないそうですので優待で釣るのが多いみたいですね。
実際に8894REVOLUTIONは1000株半年以上で6万円分のQuoカードを発表しましたが半年後には実際に一度も優待を実行することなく廃止を発表しました。
これだけのことをすると会社の信用も株価も一気に落ちますし、ニュースになったり、下手すると株主たちに訴えられたりするのでここまで悪質なことはないかもしれませんが1度だけ優待を実施して廃止は十分あります。

■今後の検討

今でも自分が中長期で購入する銘柄はPBR1倍以下をメインにしています。
そして確認するべきは財務が健全であること、など以下を重要視しています。
・優待は長期に渡って行っている、または行えるだけの財務がしっかりとある
・優待新設時は財務をしっかり確認する
・株価はある程度右肩上がり、または上昇すること
・優待だけでなく配当もあること

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