四季報プロ秋号でROICが重要と記載ありました。
ROIC(ロイック)とは、Return On Invested Capitalの略で、企業が事業活動のために投じた資本に対して、どれだけ効率的に利益を生み出したかを示す財務指標です。
なぜROEやROAではなく、ROICが優れているのか、利用時にどのような点に注意すべきなのかを解説していきます。
まず、ROEは「株主視点」での利益率を測る指標です。株主がいくら拠出して、それに対するリターンがいくらかということなので株主に配当可能な金額である純資産と当期純利益が利用されます。
ただ、ROEは純資産を変えることで簡単に数字を操作できる点が問題点です。

ROAは、すべての資産を使ってどれだけ純利益をあげたかという指標です。そのため、ROAは取引先に対する交渉力を反映できないという問題点があります。取引先に対する発言権が強い企業は買掛金(資産に分類)の支払いを留保することができます。そのため、資金効率が上昇して運転資本として少ない資金を調達するだけでよくなります。

これらのROE、ROAの両方の問題を解決したものがROICです。
ROIC = 営業利益 ÷投下資本(有利子負債+株主資本)であるため株主資本比率を変えても分母を変えられませんし、事業負債を除いた純粋な投下資本で計算できているので資本提供者側にとっての適切なリターンになっています。小手先で操作することが難しく株主と債権者からの調達コストに対応した収益力を測定できるのです。
ただし、ROICは概念がやや難解で現場への導入が難しい側面があります。

日本経済新聞社が売上高100億円以下の中堅上場企業「NEXT1000」を対象に、投資の効率を示す投下資本利益率(ROIC)の3年平均を調べたランキングをご紹介します。(2019年12月13日時点で直近4年間のデータが取得できる企業が対象)
| 順位 | 社名 | ROIC 3年平均 |
|---|---|---|
| 1 | and factory | 56.8% |
| 2 | エヌリンク | 55.0% |
| 3 | 北の達人コーポレーション | 54.6% |
| 4 | ウェルビー | 52.5% |
| 5 | エニグモ | 52.1% |
| 6 | リンクバル | 51.7% |
| 7 | ダブルスタンダード | 49.3% |
| 8 | Mマート | 48.8% |
| 9 | Orchestra Holdings | 48.1% |
| 10 | GameWith | 47.2% |
| 11 | スタジオアタオ | 46.8% |
| 12 | ピーバンドットコム | 44.6% |
| 13 | インソース | 43.2% |
| 14 | SKIYAKI | 40.9% |
| 15 | フィックスターズ | 40.7% |
| 16 | グレイステクノロジー | 39.6% |
| 17 | イー・ガーディアン | 39.5% |
| 18 | みらいワークス | 38.9% |
| 19 | ライトアップ | 38.1% |
| 20 | カナミックネットワーク | 38.0% |
| 20 | マークライアンズ | 38.0% |
| 22 | アルトナー | 37.3% |
| 23 | モバイルファクトリー | 37.1% |
| 23 | ジェイホールディングス | 37.1% |
| 25 | ストライク | 36.7% |
こうしてROICが高い企業を見てもあまり大企業、株価上昇している企業が並んでいるわけでもないので優良銘柄探しの方法としては微妙です。。
なお、ROICを調べようとする場合はバフェットコードのwebサイトか、マネックス証券で見れるようです。




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